2020年4月5日から放送が開始された『デジモンアドベンチャー』のリブート版『デジモンアドベンチャー:』。小学生の時にリアルタイムで『デジモンアドベンチャー』を見た世代の一人としてはリブートされることに疑問を持ちました。
また、第一話「東京デジタルクライシス」を見た感想です。
『デジモンアドベンチャー』から『デジモンアドベンチャー:』への変更点
ストーリー
新しいストーリー。
声優
選ばれし子供たちの声優は一新。デジモンの声優はテイルモンの徳光由香さんを除き続投。
主題歌
『Butter-Fly』(和田 光司)から『未確認飛行船』(谷本 貴義)に変更。
デジモンアドベンチャーのリブートが放送されると聞いて・・・
率直に思ったのは、このタイミングで!?いまさら!?
2000年に放送が終了しトライを経て、ラストエボリューションで物語りとしては完結しておいて、このタイミングでリブートって???
名作に、再び目を向けてもらいたいという思いをにじませながら、櫻田Pは「新しい子ども達に『デジモンアドベンチャー』を新しく知ってもらいたいというのが、デジモンをやっていた人たちに、過去の物にしてしまいたくないなということもあって」と説明してくれた。
(「デジモン」を今の人に「喜んでもらえるものに」20年経たリブートへの思い〈デイリースポーツ〉)より
と制作側のコメントの「過去の物にしてしまいたくない」には本当にそう思う。僕も心からそう思います。名作である『デジモンアドベンチャー』を過去の物として埋もれてほしくない。ファンなら誰しもが思います。
オリジナル版を現代に置き換えたらどう描くのか。興味がないわけではないです。
しかし、『デジモンアドベンチャー』の骨格である主題歌『Butter-Fly』や選ばれし子供たちの声優を変えることになってもリブート版を放送すべきかと疑問に思います。
太一役の藤田淑子さんや空役の水谷優子さんはお亡くなりになっており、選ばれし子供たちの声を変更はしょうがない。でも『Butter-Fly』まで変更する必要があるのか?『デジモンアドベンチャー』を知ってほしいなら主題歌は変えてはいけない。『デジモンアドベンチャー』=『Butter-Fly』と言っていいほど。
主題歌の『Butter-Fly』を変えるということは、制作側が知ってほしいのは物語を中心としたデジモンアドベンチャーの世界観だけなのでしょう。『Butter-Fly』がない『デジモンアドベンチャー』って…いくらリブート作品と言っても正直微妙です。
選ばれし子供たちの声を変えざるを得ない状況で、主題歌を変えてリブート作品の放送・・・、どうせ変えるなら中途半端にせず、デジモンの声も変え、キャラクターや世界観はそのままにした新しいデジモンアドベンチャーを作ればいいのでは?それなら完全な新作なわけであるし…。
親世代にはデジモンアドベンチャーの懐かしさを、子供たちには新しさを、いいとこどりを狙っているとさえ思えてしまう。
というのが正直な感想。
自分の知っている『デジモンアドベンチャー』から大きく変わってしまい納得できない気持ちがある一方で、制作側が言っている「今の子供たちに」ということは理解できるので複雑な気持ちです。
言いたいことを好き放題言いましたが、子供向けのアニメにいい大人が批判的なことを言うべきではないと声が聞こえてきそうです。その通りだと思います。子供向けのアニメに大人があれこれ言うのはカッコ悪い。
デジモンアドベンチャーのリブート版はあくまでも今の子供たち向け。オリジナルのファンである大人はおまけにすぎないのだから、以前の子供が意見を言い過ぎるのは、自分でもどうかと思います。
でも思い入れの強い『デジモンアドベンチャー』だからこそ正直な気持ちをわがままに言ってしまいました。
制作側もいい加減な気持ちで制作を決断したわけではないと思います。名作『デジモンアドベンチャー』をリブートする以上は名作に相応しいものをつくる覚悟があってのこと。そんな人たちに、散々批判的なことを言って後は見ずに内容を知らないままケチをつけるのはフェアじゃないので見てみることにします。
第一話「東京デジタルクライシス」を見ての感想
第一話を見ての感想です。リアルタイムでは見れなかったので、後ほど「TVer」で視聴。
あくまでも長い物語の最初だけを見た感想として、オリジナルと比べてばかりいると、どうしても違和感を強く感じてしまうと思われたのでリブート作品であることを意識して見た感想。
感じたことは、
- 主題歌は物足りない
- 声優はそんなに違和感がない
- 話の内容は今後、期待してもいいのでは
です。
主題歌は物足りない
OP、EDともにいい曲だと思います、かっこいいです。
ただ、どうしてもデジモンアドベンチャーのOPとして聞いてしまうと『Butter-Fly』と比べてしまい、詞、曲ともに物足りない感想を持ってしまいました。そもそも、曲のがタイプが違いますね。
リブート版はまた始まったばかりで、『Butter-Fly』はもう何年も心に残っている名曲、比べるのがおかしいのかもしれません。
EDも同じ感想を持ちました。
声優はそんなに違和感がない
リブート版の声優さんはオリジナル版のそっくりさんではないので、声が違うのは当たり前。
初回は太一と光子郎しか登場していませんが、プロの声優さんのすごさを感じました。太一役の三瓶由布子さん、前作とは別の人なので当然声は違いますが、なんというか、カッコよさや力強さが感じられ、太一のキャラクター特性を崩していません。(声質だけで言えば02の大輔に近い?)
光子郎役の小林由美子さんも雰囲気が似ていて、クレヨンしんちゃんとは思えない!
デジモンでは、まだアグモン役しか登場してませんが、変わってなくて安定感抜群です。
声優さんに関しては今後が楽しみです。
野沢さんのナレーションがちょっと違うかなと…。
前作の低音でミステリアスさを感じさせる平田さんの語り口調が物語とマッチしていて好きだったので違和感を感じてしまいました。これは好みですね。個人的には、Dr.くれはよりサンジです。
話の内容は今後、期待してもいいのでは
オリジナル版ではキャンプ中にほぼ全員がデジタルワールドに飛ばされ冒険がスタート。リブート版はキャンプに行く前に、現実に起こっている問題を解決しようする形で物語が始まっており、スタート時点で違ったストーリです。
今後、異なるストーリーの中でどうデジモンの世界観を描いていくのか、ワクワク感を描いていくのか興味がもたれます。
進化シーンについては挿入歌がないのが盛り上がりに欠け残念。(初回だけかもしれませんが…。)グレイモンに進化するときがちょっと怖い。。
OPの冒頭のシーン、家族思いの太一、行動した太一を追いかける光子郎など、オリジナルを思い出す懐かしさがあり、当時のファンとしてはうれしい気持ちがありました。
他の選ばれし子供たち、デジモンの進化、ストーリーの展開など今後期待できるのではないかと思います。
全体として
曲やナレーション、進化のシーンなど違和感や不満が全くないわけではありませんが、トライのときのような変なキャラクターデザインではなく、演出でオリジナルのファンにも気を配っている印象です。
オリジナル版『デジモンアドベンチャー』を見る気持ちで見れば違いを強く感じてしまいますが、新しいものリブート版として見れば当時のファンも「こんなこともあったなぁ~。リブート版はここが違う!」と懐かしさや違いを楽しめないこともないかなと思います。
次も見てみたいと思う内容でした。途中で「やっぱりこれは違う!」となるかもしれませんが、次回以降も見たいと思います(あれ?制作側の狙い通り?)