クロロシスが発生してしまい、なかなか治らないノーザンハイブッシュ系のアーリーブルー(鉢植え)。
クロロシスの発生原因の1つに、土壌のpHがアルカリ性に傾いてしまい、ブルーベリーが土壌中の栄養素(重金属)を吸収できない状態になってしまうことがあります。
そこで、土壌酸度(pH)計を使い土壌中のpHの値を確認し、アーリーブルーの不調の原因を探ってみたいと思います。
土壌酸度計を開封
測定に使用する酸度計は、シンワ「土壌酸度(pH)計A」
電池が不要で、土に挿してpHを測るタイプです。
この土壌酸度計、楽天ポイントの消費を兼ねて、興味があって購入したのですが・・・使う機会がなく段ボールのまま放置してしまっていました。
(届いたものが品違いや不良品ということも考えられるので実際に使ってみる、せめて開封だけはしたいとこですよね…。)
自分は、ヤマダ電機楽天市場店から購入。値段は4,240円。楽天ポイント10倍+クーポン利用で、お得でした。
(※2021年11月現在、ヤマダ電機の楽天市場店では販売していないようです。)
「シンワ土壌酸度計A」の価格については、販売店や購入時期でバラツキがあるようです。
届くまで時間がかかる”お取り寄せ品”でしたが、その間にヤマダ電機から取り寄せ状況を知らせるメールが届き、丁寧な対応でした。
届いてからだいぶ時間が経ってしまいましたが、開封してみます。
注文したのは酸度計だけなので、ダンボールに酸度計1つが入っています。
緩衝材を使い箱の中で動かないようになっており、丁寧な梱包です。
ダンボールから酸度計を取り出してみました。
パッケージを開封。
大きさは、上から下までが約16cm。
上部のメーター部分は約4.8cm(一番長い所)です。
土に挿す測定部分は金属です。約4.9cm。
別途、説明書は同封されておらず、台紙の裏に使用方法や注意書があります。
測定する前の準備
土壌酸度計Aは、使用する前に簡単な準備が必要のようです。台紙裏にある説明があるので、その通り準備していきます。
簡単に整理すると、使用する前の準備は以下の2つです。
- 土が乾燥していたり肥料が多かったりすると正しいpHが測れないので、測定の約20~30分前に土に水をかける。
- 使用前に測定部にあたる金属電極部(円錐と帯の両方)をサンドペーパー(目安は#400~#1000)などで磨く。
新しい製品を使う場合は、金属部についてある油分を落とすため、必ず土に2~3回挿し込む。
説明の通り準備していきます。
まずは、土が乾燥気味だったので、水をかけ20~30分待ちます。(手順1)
待っている間に、酸度計の方を準備します。
開封したばかりの新しい製品なので、測定部にあたる金属電極部の油分を落とすため庭の土に金属部をズブッと2~3回挿し込みます。
そして、付着した土を落とした後に、その金属電極部をサンドぺーパーで磨きました。
サンドペーパーの目安は#400~#1000とありますが、あいにく#400しかなかったので、今回は#400を使用しました。(手順②)
これで準備完了。準備作業は簡単でした。
土壌酸度計で鉢植えアーリーブルーのpHを測定
酸度計で土のPHを測定し、クロロシスが出ているアーリーブルーの不調の原因を探ってみたいと思います。
注意点としては、この「シンワ酸度計A」はピートモスのpH値測定には向いてないといった情報がweb上にあります。実際に使うまでは知りませんでした。
そのため、測定してわかった数値は参考値(目安)になります。自分としては大まかなPH値でもわかればいいのでOKです。
話を戻して、クロロシスが出てしまっているアーリーブルーです。
測定したのが11月上旬なので少し紅葉していますが、葉脈が緑色それ以外の葉の部分の色が薄くなり、葉脈が浮き出たような状態です。
新芽が出た直後は栄養が新芽に回らず、クロロシスになってしまう場合もあるようですが、長引くと他になんらかの不調の原因があると考えられます。
そのクロロシスの発生原因はいくつあるようで
・土にマンガンなどの重金属が不足してブルーベリーに栄養が足りてない
・土中に充分なマンガンなどがあったとしても、土壌中のpHがアルカリ性に傾いたことでブルーベリーが栄養を吸収できない状態になっている
と言われているようです。
今回のケースにあてはめると、マンガンが含まれているブルーベリーの専用肥料を施したので土中に、マンガン不足という可能性は低いです。(おそらく)
他に考えられるのは土壌のpHが上昇してまい、ブルーベリーが栄養を吸収できない状態になってしまっているのか…。
そこで土壌酸度計を使い、土のpH値を測定してみたいと思います。
では、実際に測定してみます。
説明の通り、酸度計の測定部(金属の円錐と帯の部分の金属部)が土の中に隠れるくらい挿す。
そして、土と測定部が密着するように、周りの土を軽く測定部に押す。
約1分後、針が安定したら数値を確認します。
実際の数値です。
pHは4.9。
ノーザンハイプッシュ系のブルーベリーの育成に向く土壌pHについては、
おなじみの「NHK趣味の園芸よくわかる栽培12か月ブルーベリー」では「ハイブッシュに最適なpHは4.3~4.8」とあります。
ブルーベリーの苗木販売で有名な大関ナーセリーさんのHPでは、
ハイブッシュブルーベリー・・・・・pH4.8~5.5
(出典:大関ナーセリーHP-ブルーベリーの育て方)
となっています。
参考値になりますが、計測したアーリーブルーのpH値は4.9。最適なpHではないかもしれませんが、酸性度は保っており、pHに問題はないと思います。
そもそもこのアーリーブルーは、植え替えてから1年も経過してないので、土がアルカリ性になってしまうとは考えにくいような気もします。
土中の欠乏でもない、pHも高くない・・・、そうするとクロロシスの原因は何なのか?
よくわからないので、試しに鉢から取り出して根の様子を確認してみます。
【根の様子】
【別角度】
1枚目の写真はほとんど根が見られません。2枚目は根が少しある程度。
確認したところ、部分的に根が張っている箇所もありますが、全体的には根の張りはよくないです。このアーリーブルーは今春に植え替えたので、もっと根の量があってもいいくらいです。
この根の状態から見て、素人の完全な予測ですが、クロロシスの発生原因は「根が過湿気味になった」からではないかと。
過湿気味(もしくは過湿)になって、根の生育がよくない→栄養が吸えない→葉にクロロシスが発生した、と考えました。
用土は【ピートモス6+鹿沼土3+パーライト1】です。
他の鉢もこの用土構成で問題なく育っていますが、アーリーブルーは弱い(育てにくい)という情報もあるので過湿気味になり、その影響が強く出たのかもしれません。
もちろん、素人の予測ですので間違っていることも考えられます。
対策としては、来年の春にでも、もっと通気性のいい土に植え替えてみたいと思います。
使用した酸度計は防水ではないので水洗はせず、よごれをふき取って保管しておきます。
初めて土壌酸度計を使用してみてのメリット・デメリット
はじめて土壌酸度計を使ってみて、次のようなメリットとデメリットを感じたので紹介します。
【メリット】
・電池不用、手間なく簡単に土壌のPHを測定できる
【デメリット】
・金属電極部(測定部)に密着度の低い園芸培養土には適さないなど、正確なPhを測定するには意外と制約がある
・鉢植えの場合、測定の後に穴ができてしまう(特に小さな鉢植え)
・防水でないので水洗いはできない
メリット
メリットは測定が簡単なことです。
使用前の準備は、土が湿っていなかったら水をかける、サンドペーパーで金属部を磨くだけ。
土に挿すだけなので簡単に土壌pHを測定でき、数値として把握・管理できるのはとても便利でした。
電池はいらないので、電池切れを心配する必要もありません。
デメリット
メリットの一方でデメリットもあります。
この土壌酸度計Aは、測定部と土が充分に密着して正確なpH測定が可能なようで、「密着度が低い園芸用土は適さない」とパッケージの説明にあります。
(理由はわかりませんが、webにはピートモスの測定に適さないという情報もあります。)
実際に使ってみたら、土に充分に密着しないと針が中性に近づくように感じます。
正確なpH値を測定するとしたら、意外と土の性質を選ぶのかなという印象です。
また鉢植えの場合は、測定したところに穴ができてしまいます。大きな鉢の場合はさほど気になりませんが、その部分の根が切れしまうので小さな鉢では気になる方は気になるかもしれません。
小さい鉢(画像は6号鉢)に酸度計を挿すと、けっこうなアンバランス感。植物がかわいそうな気もします。
正直に書いていたらデメリットが多くなってしまいまいたが、今回ピートモスを使用した鉢植えのブルーベリーでも酸度計の針は動いて、問題なく計測はできました。
簡単にpHを把握することができます。
向いているのは地植えや畑?
上記のようにデメリットがあるので正確なpHを測定するとした、どちらかというと鉢植え栽培より、地植えや畑に向いているのかと思います。
主に畑にで使って鉢植えのpHも確認したい、参考値でもいいので簡単に鉢植えの土壌pHを測定したいという場合はおすすめです。
この土壌酸度計Aは、価格が安くはないです(約4,000円前後)。
「デメリットの割には値段が高い!」と思う方は、簡易的ですが試験紙タイプなどもっと安価なものもあるので、そちらを試してみるのもいいかと思います。
まとめ
アーリーブルーのクロロシスの原因を探るため、初めて「シンワ土壌酸度計A」を使ってみました。
まとめると、次のようになります。
- 準備は(必要な場合は)土に水をかけ測定部を磨くのみ、土壌酸度計を土に挿すだけで簡単にpHを把握できる
- 土壌酸度計でpHを測定した結果、アーリーブルーのクロロシスは根の過湿気味が原因と予想
酸度計は土に挿すだけなので準備も含め、手間なく簡単に土のpHを測定できました。
その結果、参考値ですがpHがわかったっことで、クロロシスの原因を考えることに役立ちました。