この記事では
- 「Speed Wi-Fi NEXT WX06」を使ってみようかと思っているけど、実際の通信速度はどのくらいでるの?
- 2.4GHz/5GHz同時接続機能(バンドステアリング)はどんな機能?
- バッテリーの充電はどのくらいもつ?
と思っている方に、
実際に「Speed Wi-Fi NEXT WX06」を1年間使ってみて、通信速度の実測値やバッテリー持ち、2.4GHz/5GHz同時接続機能などを正直にレビューします。
注意点
2021年12月現在、WiMAXは「WiMAX +5G」の契約がメインになっており、このページで紹介しているWi-Fiルータ「Speed Wi-Fi NEXT WX06」で「WiMAX2+」の契約ができるプロパイダが少なくなっています(契約できたとしても中古端末だったり)。
また、一部地域では「WiMAX 2+」の周波数帯の5Gサービスにあてるため、2022秋から「WiMAX 2+」の最大速度が440Mbpsから220Mbpsに変更され、「WiMAX2+」の通信速度の低下が予測されます。
(詳しくはhttps://www.uqwimax.jp/annai/news_release/202103313.html)
「WiMAX +5G」は端末代や月額料金が高いため「通信速度より、とにかく料金を安く抑えたい」という場合を除き、5Gに対応した最新Wi-FiルータでのWiMAXの契約を優先して検討することをおすすめします。
- Speed Wi-Fi NEXT WX06のスペック
- Speed Wi-Fi NEXT WX06の実際の通信速度(実測値)
- 特徴①2.4GHz/5GHz同時接続機能(バンドステアリング)
- 特徴②バッテリー容量が多い
- デメリット:通信速度の数値は悪い
- 充電器は必要か?すでにタイプC用がある場合は買う必要はない
- クレードルは生産終了のため手に入りにくい
- まとめ
Speed Wi-Fi NEXT WX06のスペック
はじめに WX06のスペックです。
【Speed Wi-Fi NEXT WX06のスペック】
名称 | Speed Wi-Fi NEXT WX06 |
---|---|
製造元 | NECプラットフォームズ株式会社 |
大きさ | 約111×62×13.3mm |
重さ | 約127g |
通信速度 (ハイスピードモード/WiMAX 2+) |
下り最大440Mbps 上り最大30Mbps |
バッテリー容量 | 3,200mAh(バッテリー交換可能) |
連続通信時間 (ハイスピードモード/WiMAX2+) |
ノーマルモード(バランス):約11.5時間 ハイパフォーマンスモード(通信速度優先):約8.3時間 エコモード(電池持ち優先):約14時間 |
同時接続台数 | 最大16台 |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11ac/11n/11a(5GHz帯) IEEE802.11n/11g/11b(2.4GHz帯) |
クレードル | 〇 |
機能 | 2.4GHz/5GHz同時通信(バンドステアリング) QRコードで簡単Wi-Fi接続 |
NECが製造する「Speed Wi-Fi NEXT WX06」の特徴は、2.4GHzと5GHzの同時接続が可能な「2.4GHz/5GHz同時接続機能(バンドステアリング)」、WiMAXのWi-Fiルータの中ではバッテリー容量が多いことです。
この2つの特徴について実際に使ってみての感想は、のちほど紹介します。
まずはWi-Fiルータとしては最も気になる通信速度について説明します。
Speed Wi-Fi NEXT WX06の実際の通信速度(実測値)
WX06の通信速度です。
実際にどのくらい速度がでるのか計測してみました。
僕の自宅はWiMAXの電波が安定する「○」エリアではなく、電波状況がいい場所と悪い場所が混在する「△~○」エリアです。
そのため電波状況が「○」(アンテナ3本)のエリアと、「△」(アンテナ1本)のエリアの両方で通信速度を計測した結果を紹介します。
計測はハイスピードモード(WiMAX 2+)の、ノーマルモード(速度と電池のバランス)でおこないました。
【アンテナ1本(電波状況△)の実測値】
スマートフォン
2.4GHz | 5GHz | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | |
8:00 | 4.10 | 0.30 | 63 | 4.26 | 0.17 | 72 |
12:00 | 2.20 | 0.36 | 81 | 0.79 | 0.54 | 69 |
16:00 | 4.70 | 0.17 | 71 | 4.62 | 0.17 | 105 |
20:00 | 2.53 | 0.06 | 117 | 3.84 | 0.17 | 70 |
23:00 | 5.35 | 0.23 | 81 | 4.71 | 0.30 | 83 |
平均 | 3.8 | 0.2 | 82.6 | 3.6 | 0.3 | 79.8 |
ノートパソコン
2.4GHz | 5GHz | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | |
8:00 | 5.24 | 0.10 | 95 | 7.11 | 0.86 | 61 |
12:00 | 2.40 | 0.14 | 55 | 1.91 | 0.82 | 48 |
16:00 | 4.63 | 0.31 | 125 | 4.79 | 0.16 | 72 |
20:00 | 4.33 | 0.18 | 122 | 5.55 | 0.37 | 55 |
23:00 | 2.85 | 0.42 | 62 | 4.96 | 0.61 | 82 |
平均 | 3.9 | 0.2 | 91.8 | 4.9 | 0.6 | 63.6 |
【アンテナ3本(電波状況○)の実測値】
スマートフォン
2.4GHz | 5GHz | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | |
8:00 | 29.13 | 1.66 | 48 | 34.84 | 4.53 | 46 |
12:00 | 20.00 | 1.94 | 47 | 21.47 | 1.13 | 71 |
16:00 | 19.27 | 1.76 | 55 | 28.80 | 1.94 | 45 |
20:00 | 21.08 | 2.15 | 50 | 27.88 | 3.14 | 45 |
23:00 | 22.15 | 2.03 | 48 | 26.66 | 1.38 | 65 |
平均 | 22.3 | 1.9 | 49.6 | 27.9 | 2.4 | 54.4 |
ノートパソコン
2.4GHz | 5GHz | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | 下り(Mbps) | 上り(Mbps) | Ping(ms) | |
8:00 | 31.48 | 3.92 | 45 | 39.57 | 1.60 | 45 |
12:00 | 9.25 | 2.80 | 49 | 19.92 | 4.18 | 43 |
16:00 | 20.42 | 2.02 | 47 | 28.80 | 1.27 | 54 |
20:00 | 22.58 | 1.43 | 45 | 27.16 | 2.60 | 45 |
23:00 | 23.61 | 2.30 | 46 | 28.35 | 1.73 | 44 |
平均 | 21.5 | 2.5 | 46.4 | 28.8 | 2.3 | 46.2 |
計測してみると、WX06の通信速度はこのようになりました。
さすがに電波状況が悪いアンテナ1本の場所は数値が悪いです。ページの読み込みに時間がかかる場合が多いです。
アンテナ3本の場所では、そこそこの数値が出てくれました。ページの読み込みは速く、高画質動画も途中で止まることなくストレスなく見ることができます。
同じ場所で計測しても、時間によって実測値に差がでますね。
特徴①2.4GHz/5GHz同時接続機能(バンドステアリング)
(出典:UQ WiMAX)
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」の特徴に、2.4GHz/5GHzの同時接続機能(バンドステアリング)があります。
2.4GHz/5GHzの同時接続機能とは、「Speed Wi-Fi NEXT WX06」と接続する各デバイス(スマホやPCなどの端末)のそれぞれが、2.4GHz周波数または5GHz周波数でネット利用できる機能です。
2.4GHz/5GHzの同時接続機能がない従来は、モバイルWi-Fiルータと接続するデバイスのすべてが2.4GHz周波数もしくは5GHz周波数のどちらか一方でしかインターネットの利用ができませんでした。
WX06は、2.4GHzと5GHzの同時利用が可能となりました。
この機能とても便利で、次のような場合に役立ちます。
1.複数のデバイスをそれぞれ2.4GHzと5GHzで同時に使用できる
Wi-Fiルータに2.4GHzしか対応していないスマホ、2.4GHzと5GHzの両方に対応したPCを接続した場合。
従来は、2.4GHzにしか対応していないスマホに合わせるため、ルータを2.4GHzに設定しPCも2.4GHzでネットに接続する必要がありましたが、同時利用機能がある WX06はスマホは2.4GHz、PCは5GHzでそれぞれ別にネット利用することができます。
2.複数人で接続してもそれぞれ2.4GHzと5GHzで同時に使用できる
また、複数人で WX06を使う場合にも2.4GHzにしか対応していないスマホの人は2.4GHzで、2.4GHzと5GHzの両方に対応しているスマホの人5GHzでネット接続が可能です。
「本当は5GHzでネットにつなげたいけど、他のデバイス(人)が2.4GHzにしか対応してないから仕方なく2.4GHzを使うしかない・・・」ということがなくなります。
しかもバンドステアリングにより、WX06が2.4GHzと5GHzのどちらか最適な周波数を選択してくれます。
実際に使ってみて、いちいち手動で2.4GHzと5GHzを入れ替える面倒が解消され、とても快適です。
ただ、デメリットとしてこの同時接続機能を使うことでバッテリーが減るのが早くなります。その点が気にならなければとても便利な機能です。
特徴②バッテリー容量が多い
モバイルWi-Fiルータの中ではバッテリー容量が多い「Speed Wi-Fi NEXT WX06」
どのくらい充電が持つのかは、メーカーの公表では以下の通りです(※端末1台を接続した場合)。
ハイスピードモード(WiMAX 2+) | ・ハイパフォーマンスモード(通信速度優先):約8.3時間 ・ノーマルモード(速度とバッテリーのバランス):約11.5時間 ・エコモード(バッテリー持ち優先):約14時間 |
---|---|
ハイスピードプラスエリアモード (WiMAX 2+/LTE) |
・ハイパフォーマンスモード(通信速度優先):約8.1時間 ・ノーマルモード(速度とバッテリーのバランス):約10.5時間 ・エコモード(バッテリー持ち優先):約13.3時間 |
実際に使ってみて、1年経過した現在では1時間の使用でバッテリーの充電が10%減る程度です。(スマホ1台接続、ノーマルモードの場合)
1年間使ったことを考慮すると、ノーマルモードではメーカーの言う通り、10~11時間は連続して使うことができます。どのくらいバッテリーの充電が持つかはメーカー説明通りです。
ただ、これはスマホで1台を接続した場合です。
2台、3台と複数の機器で使ったり、パソコンを接続して通信容量が大きくなったりすると、バッテリーが減るのが早くなります。
自分の感覚としては、パソコンで動画を見るとけっこう早くバッテリーがなくなります。
逆にネットを使っていないときは、スリープ機能を使ったりするとバッテリーが減るのが防げます。
バッテリーが減るペースは使い方次第で変わり、バッテリーの持ちがいいのか悪いのかは使用する人によって変わってくる印象です。
ちなみに自分としては、特段バッテリーが長く持つ印象はないですね。
特に長くはないですが短くもないので外出前に充電をしておけば、外でバッテリー切れになる心配がないというのが感想です。
またWX06はバッテリーの取り外しができるため、充電を繰り返したことでバッテリーが消耗し持ちが悪くなってしまった場合は、新たなバッテリーパックと交換することができます。
バッテリーパックの消耗を気にるする必要がないので、個人的にはバッテリー容量よりこちらのバッテリー着脱式の方が魅力的です。
デメリット:通信速度の数値は悪い
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」の最大速度は440Mbps(下り、WiMAX 2+)。
同世代のファーウェイ「Speed Wi-Fi NEXT W06」の最大速度は558Mbps(下り、WiMAX 2+)なので、比べると通信速度はよくありません。
実際にファーウェイ「W06」は使ったことはありませんが、今使っているNEC「 WX06」の前に、ファーウェイ「W06」の一台前の機種にあたる「W05」を使ってました。
その時に計測した,、下りの通信速度の実測値は、いい時で41.5Mbpsです。
計測状況が全く同じではないので単純に比較できませんが、通信速度の数値としては上記で紹介したNEC「WX06」の実測値よりもファーウェイ「W05」の実測値の方が上です。
そのファーウェイ「W05」よりも性能がいい「W06」はさらに速い数値が予想され、通信速度の実測値はNEC「WX06」よりもファーウェイ「W06」の方が優れている推測されます。
ですが、実際にNEC「WX06」を使ってみた感覚としてはファーウェイ「W05」との通信速度の数値の違いは感じません。
電波が1本のエリアでは「W05」の方がサイトの読み込みは速いように感じますが、電波状況がいい場所ではNEC「wx06」もストレスなくファーウェイ「W05」と同じように使うことができています。
NEC「WX06」とファーウェイ「W06」の実測はあまり変わらない、もしくは変わったとしても体感では変わらないという情報もあります。
NEC「WX06」とファーウェイ「W06」カタログ上の実測値に大きな差があっても実際に使うとそこまで通信速度に違いはないのかもしれません。
より速い通信速度を必要とする4k動画やオンラインゲームは試したことがないのでわかりませんが、
ファーフェイ「W06」の最大速度と比べると頼りないようなきもするものの、NEC「WX06」を使った感想としてはサイト閲覧やアプリの使用、動画視聴であればストレスなく使えてます。
充電器は必要か?すでにタイプC用がある場合は買う必要はない
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」は、充電器が付属していません。(USBケーブルは付属しますが、ACアダプタが付いてきません。)
では「新たに充電器を購入する必要があるか?」というと、
すでにスマーフォンなどで使っている充電器が、接続端子がタイプCの端末を充電できる場合は、新たに購入する必要はありません。
充電器の形状は
- タイプCのケーブルとACアダプタが一体型
- ACアダプタのみ
などがありますが、接続端子がタイプCの端末を充電できる充電器を既に持っている場合は、その充電器でWX06を充電することができます。
上記のような充電器を持っていない場合は、新たに購入をおすすめします。
(USBケーブルは付属するので、ACアダプタがなくてもパソコンから充電できますが面倒です)
メーカーで推奨する純正の充電器は「TypeC 共通ACアダプタ01U (0601PQV)」です。値段は高いですが安心感があります。
(出典: auオンラインショップ)
またACアダプタは持っているけど、そのアダプタが低速充電のもので、使ってみたら「低速充電中です。指定の充電機器をお使い下さい。」の画面が出た。
その場合、充電がなかなか進みません。不便なので新たに高速充電に対応したACアダプタを購入することをおすすめします。
クレードルは生産終了のため手に入りにくい
出典UQ WiMAX)
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」は、クレードルを使うことで通信速度がアップします。
しかし、WX06のクレードルは生産が終了しています。純正品を扱っているUQ、アマゾンや大手家電量販店を含めた通販でも販売しておらず、購入できない状況のようです。
メルカリなどで出品していることもあるようですが高額です。
まとめ
「Speed Wi-Fi NEXT WX06」を1年間、使ってみての感想は
- 2.4GHz/5GHz同時接続(バンドステアリング)が快適
- バッテリーが消耗してしまって充電持ちが悪くなっても、バッテリーパックが交換できるので安心
- 通信速度の実測値は速くはないが、webページの閲覧や動画視聴はストレスなくできる
です。
ルータを選択する際は、通信速度に不安もありましたが、
でも実際使ってみると、2.4GHz/5GHz同時接続機能が快適で、(アンテナが2,3本以上の場所は)webページの閲覧や動画視聴であれば読み込むスピードが遅くストレスがあるということはなくインターネットを使えているので、「Speed Wi-Fi NEXT WX06」を選択してよかったと思います。