いまさらですが、2021年、ブルーベリーの緑枝挿しの記録です。
緑枝挿しをしてみた結果、途中うまくいきませんでした。うまくいかなかった原因を自分なりに考えてみたので、紹介します。
東側の緑枝挿しの経過
挿し木をスタート
7月中旬、ブルーベリーの緑枝挿しを開始しました。
場所は半日のみ日光が当たる自宅の東側。夏の陽射しは強烈なので、挿し穂が枯れないようにすだれで遮光。
状況については、以下の通りです。
・開始時期:7月中旬
・場所:自宅の東側(半日のみ日光が当たる場所、すだれで遮光)
・品種:レカ、プル、ヌイ、オニール、ブライトウェル
・土:ピートモス+に鹿沼土、ピートモス+ココチップなど
・その他:すだれで遮光
【スタート時の様子】
5日後に枯れだした・・・
挿し木の様子を確認すると、挿し木をしてから5日後に枯れ始めてしまいました。
状態としては枝の上部が黒く変色し、しわしわ、切り口を確認すると茶色に変色してます。
その時は「この枝だけ、たまたま枯れたのかな?」と思ったのですが・・・
さらに日が経つと、他の挿し木も同じように枯れてしまいました。ショック…。
なんで?
原因を考察、土?枝?水やり?
なぜ、挿し木は枯れてしまったのか?
原因を考えてみました。
①土が悪かった
土に悪い菌が入ってしまったり、清潔でない場合は切り口が腐れてしまう。
それを疑い、土を新しくして再び試してみたのですが、同じように枯れ。
土が原因ではなかったようです。
②枝が悪い
緑枝挿しは今年のびた枝を使うと成功率が上がります。
しかし、伸びて間もなく固まってないやわらかい枝を使うと逆に失敗してしまうとあります。
自分としては固まった枝を使ったつもりですが、実際はやわらかかった可能性を考え、今度は今年のびた枝でしっかり固まった枝を真剣に選んで再び挿し木をしました。
でも、同じように枯れ。
原因は枝でもなかった。
③水やりの間隔が長すぎた
原因は土でも枝でもない。
なぜ枯れたのかを考えてみたところ、
そういえば、挿し木をした日から初めて枯れたのが確認されるまでの6日間、一度も水をかけませんでした。
遮光したことで土がなかなか乾かなかったこと、以前の挿し木で水のやりすぎで挿し木が枯れてしまった経験があったことから、水の間隔を長めにしました。
それが逆に良くなかったのかもしれません。
そこで、
- 3~4日に1回水をかけ、水やりの間隔を長めのもの
- 2日に1回水をかけ、水やりの間隔を短めのもの
この2つで、簡単にですが比較実験をしてみました。
実験してから約2ヶ月後の様子
左側が水をかける間隔が長めのもの、5本中2本が生存
右側が水をかける間隔が短めのもの、5本中4本が生存
水やりの間隔が短い方が成功率が高いです。これを見ると、原因は水やりの間隔だった?
枯れた挿し木の最終的な結果
ちなみに当初、東側で始めた挿し木の後の様子はこちら
壊滅状態です。
南側の緑枝挿しの経過
挿し木をスタート
東側の挿し木は、予想外の失敗。
これを受けて、予定にありませんでしたが、別の場所(自宅南側)で緑枝挿しをしてみました。
条件は以下の通りです。
・開始時期:8月上旬
・場所:自宅の南側(日光が長くあたる場所、寒冷紗で遮光)
・品種:ヌイ、オニール、ブライトウェル、エリアベス、チャンドラー
・土:ピートモス+鹿沼土、ピートモス+ココチップなど(東側と同じ)
・その他:寒冷紗で遮光、水やりの間隔は短め(2日に1回)
置き場所や遮光に使った道具など、東側と全く同じではありませんが、今度は東側の失敗を受けて水やりの間隔を短めにしてみました。
【スタート時の様子】
良くなかった点としては、寒冷紗の使い方。
寒冷紗を上からかぶせるような形になってしまいました。
寒冷紗が挿し木に触れてはいないものの、挿し木との間隔があまりなく、風通しが悪く熱がこもりやすい状況になってしまいました。
はじめて寒冷紗で遮光してみましたが、支柱などを使い、挿し木と寒冷紗の間に大きな空間を作った方がよかったかなと思います。
1ヶ月後の様子
南側の緑枝挿し、1ヶ月後の様子です。
何本か枯れている枝もありますが、東側のときのように一気に枯れだし、壊滅状態というわけではありません。
2ヶ月後の様子(最終的な結果)
挿し木をしてから2ヶ月後の様子。
15本中、12本が生存。(枝のみになってしまった挿し木を含む)
この時点で生き残っている枝の状態を見てみると
- 挿し穂の芽が伸びていたり、芽が大きくなっていたり、成長しているもの
- 芽は大きくなっておらず、挿し木をした時と状態が変わらず、成長がみられないもの
- 葉が落ちてしまい、枝のみになってしまったもの
の3つに分けることができます。
これらの3つの中から数本抜いて、発根しているのかを確認してみます。
1.挿し木の芽が大きくなったもの(成長しているもの)
芽が伸びていたり、芽が大きくなっている挿し木は、どれも発根が確認できました。
2.挿し木した時と状態が変わらないもの(成長がみられないもの)
芽が大きくなっていなく、挿し木をした時と状態が変わらない枝は、根が出ていたり、出ていなかったりです。
3.葉が落ちてしまい、枝のみのもの
枝のみものは、中にはひょろっとした根が出ているのもありますが、ほとんどは画像のように根は確認できませんでした。
結果、芽が膨らんでいたり成長が見られる枝は根が出ていると考えていいです。
逆に、成長が見られない枝は根が出ていたり出ていなかったりさまざま。
葉が落ちてしまい枝だけになってしまい状況がよくない挿し木は、ほぼ根が出ていません。
緑枝挿しの場合、この時点で根が出ていなくても春になって発根することがあるので、生きている枝はこのまま置いてみることにします
枯れた原因は水やりの間隔だった?
結局、緑枝挿しが枯れた原因は何だったのか?
- 東側で水をかける間隔を長めの挿し木と、水をかける間隔を短めの挿し木の比較
- 南側で水をかける間隔を短くして、再度挿し木をしたこと
この2つの結果から、水やりの間隔が短い方が失敗が少なくなりました。そのため、原因は潅水の間隔が長すぎたからと考えました。
素人の完全な予想なので信憑性は高くはないですが、試した結果から、個人的に上記のような結論に達しました。
遮光してしまうとなかなか土が乾かない。でも周りの温度は高いので、土中の温度が高くなる。水をやらないことで土中の水は新鮮な水と入れ替われず、水が劣化→枝の切り口も腐る。
あと、こちらは自信がありませんが、水をかけないことで土中に含まれる空気が減ってしまい挿し木によくなかったのかもしれません。
こういったことが起きて、挿し木が枯れてしまったのではないかと考察しました。
【おまけ】遮光なしで挿し木
枝が余ったので、遮光なしで挿し木をしてみました。場所は、東側と南側です。
遮光はないので夏の暑い陽射しがパンパン当たります。
以前おこなったときは葉が茶色になり、しょりしょりに乾燥して、やがて枝部分が枯れてしまいました。
今回も高い確率で失敗するだろうと予想し、ダメもとで試してました。
結果は
なんと根が出た!!
南側も
発根!
葉が落ちて、枝だけになってしまったりと遮光なしと比べると挿し木の状態は悪いですが、最終的には根がでました。
正直これにはびっくり。
成功の要因として考えられるのは、以下の通りです
- 今年の夏は2回目の梅雨がきたと言われるほど雨が多く、夏特有の暑い陽射しが少なかったこと
- 土の乾き具合に関係なく、雨を除き、夏の時期はほぼ毎日水やりをしたこと(秋は毎日はしませんでした)
今年の夏の気候は特殊だったので、たまたま発根したのかもしれません。
品種や状況によっては遮光なしでも根が出ることがあるようです。
まとめ
ブルーベリーの緑枝挿しをしてみたところ、失敗。
そこで、水やりの間隔を短めにしてみたところ、失敗が少ないという結果になりました。
緑枝挿しが枯れてしまう原因はいくつかあると思いますが、今回の場合は水をかける間隔を短くした結果、失敗が少なくなりました。
以前、緑枝挿しをしたときは遮光だけをして後は何も工夫をせずに成功率が高かったので、今回も軽い気持ちでしてみたのですが、紹介した通りうまくいかず。
(おそらくその時は、水をかける間隔が短かったのだと思います。)
勉強になりました。