ブルーベリーの肥料には、これまでブルーベリーの専用肥料のみを使ってきました。
しかし、ブルーベリー栽培のブログを見ると、油粕や化成肥料など様々なものが使われています。
自分も今年から油粕や化成肥料も使ってみることにしたのですが、肥料によりブルーベリーの成長に違いがあるのかと疑問を感じました。
そこで、ブルーベリー専用肥料、油粕、IB化成の3つで成長に違いが出るのか自分の目で確かめるため、ちょっと遅めのスタートですが実験をしてみようかと思います。
- 実験について
- 実験の前に6号ポットへ植え替え
- 結果の予測、確認は秋の予定
- 実験にパトリオットとピンクレモネードを追加
- 9月に追肥
- 結果
- 肥料による成長の違い
- 肥料の効き始める早さの違い
- IB化成は成長が速く感じる
- 肥料の違いにより実に違いはあるの?・・・観察を継続します
※2020.12更新:実験結果を追加
実験について
実験の目的
肥料でブルーベリーの成長に違いはあるのか。あるとしたらどう違うのかを確かめる。
実験内容
【モデル】
ブルーレイ(2018年挿し木)
※追記:後にパトリオット(2019年挿し木)、ピンクレモネード(2018年挿し木)を追加
【使用する肥料】
・花ごころ『ブルーベリーの肥料』・・・(N)6(P)5(K)5(Mg)2(Fe)0.1
・東商『超醗酵油粕 中粒』 ・・・(N)4(P)6(K)2(Mg)0.1
・IB化成・・・(N)10(P)10(K)10(Mg)1
【用土】
ピートモス7:もみ殻3(条件を合わせるためすべての鉢で同じ用土)
【実験内容】
ブルーレイ2鉢ずつ(合計6鉢)にそれぞれ違う肥料を与え、肥料ごとに地上部と根の張りに違いが出るのか確認する
※追記:パトリオット3鉢とピンクレモネードを3鉢追加したため、合計で12鉢での実験
実験の前に6号ポットへ植え替え
モデルとなるブルーレイたちは3.5号ポットに植えてあるので、実験開始前に6号ポットへ植え替えます。
植え替えに使う用土は、ピートモス7:もみ殻3。
この構成の用土を本格的に使うのは初めてですが、以前、用土にもみ殻を混ぜて使っても問題がなく、同じ構成割合の土で挿し木をしても根を出してくれたので問題はないでしょう。
いつも、ピートモスには鹿沼土やパーライトを混ぜるのですが…。もみ殻を使った理由は、用土代の節約です。なんせもみ殻はタダですから。
モデルとなるブルーレイ、植え替え前。
ちなみにこのブルーレイは、昨年も「肥料を施すのと施さないとでは成長に違いが出るのか?」の実験に参加してもらいました。
画像の前列が肥料を施さなかったブルーレイ。後列が肥料を施したブルーレイ。
今となっては当然ですが…。2つ比べてみると、肥料を施した後列のブルーレイの方が、施さなかったブルーレイよりも大きく成長してます。
肥料ありの方が明らかに樹高があり、枝が太く、葉の色がいいです。肥料なしは全体的に貧弱です。
植え替えがてら根の様子も確認してみます。
前列の肥料なしのブルーレイ
後列の肥料ありのブルーレイ
やはりというか、当たり前のように肥料ありのブルーレイの方がたくさん根が張ってます。
昨年の実験は、地上部、根ともに肥料を施した方が明らかに生育が良いという結果になりました。
植え替えを終え、各鉢に肥料を施しました。いつも僕は植え替えを行ってから約2週間後に肥料を与えるようにしてますが、毎度忘れて遅れてしまうのと、今回は根をあまりほぐさなかったので植え替えと同時に肥料を与えました。
ブルーベリー専用肥料
油粕
IB化成
6号ポットへ植え替え完了、施肥後
5月23日に実験開始です。
今回初めて6号のビニールポット(ポリポット)を使ってみたのですが、よれて意外と植え替え作業が難しい。ウォータースペースも少し設け過ぎたような気がします。
結果の予測、確認は秋の予定
予想としては、有機素材が含まれるブルーベリー専用肥料と油粕はそんなに違いが出ずに成長。IB化成肥料は枝がやや徒長気味に成長するのではないかと思います。
秋ごろに、地上部(葉や枝)の成長具合と根の張り具合を比較・確認してみます。(怠け者の僕なので来春になってしまうかもしれませんが)
結果はどうなるのでしょうか。
実験にパトリオットとピンクレモネードを追加
実験を始めてその後・・・
ブルーレイだけでは心もとないので、パトリオットとピンクレモネードも肥料実験に参加してもらいました。
パトリオットは6月上旬に、ピンクレモネード6月中旬に追加。
どちらも4号ポットに植え替えてから専用肥料、油粕、IB化成を施しました。
9月に追肥
追肥として、9月中旬にそれぞれ肥料を追加。
結果
2020年11月上旬に結果を確認。
結果から言うと、肥料の違いにより、ブルーベリーの成長に大きな違いは見られませんでした。
以下、苗木の様子です。
ブルーレイ
【全体】
続いて根の状態
【ブルーベリー専用肥料】
【油粕】
【IB化成】
【全体】
【根の状態】
ピンクレモネード
【全体】
【根の状態】
上記の画像の通り、地上部も根も特に大きな違いはありません。
どの肥料も問題なく同じくらい成長します。
ちなみに9月に追肥をした時点での様子
実験を始めてしばらくして、順調に育つブルーレイの様子を見て、この3つの肥料では成長に大きな違いは出ないのでは?
うすうす感づいていましたが・・・悪い予感が的中してしまいました。
主にブルーレイを実験に使ったのまずかったと思います。
ブルーレイは成長が旺盛な品種ですからね…。
その後、パトリオットやピンクレモネードも肥料実験に加えましたが、時期が遅かったことやピンクレモネードは根洗いしたことで苗木に目立った成長があまりありませんでした。
【実験結果】
専用肥料、油粕、IB化成ではブルーベリーの成長に大きな違いはなかった。
となりました。
ただ、この結論で終わらせてしまうと、実験の意味がなくなってしまいます。
実験の中でブルーベリーの成長の様子にわずかですが違いも見られたので、次にその違いについて説明していきます。
肥料による成長の違い
葉と根については、肥料で成長具合に違いは見られませんでした。
化成肥料を使うと葉と葉の間隔が大きくなると聞いたことがあります。その情報は正しいと思いますが、この実験を行った時点では葉と葉の間隔が大きくなる現象は見られませんでした。
枝については少しですが、次のような違い(主にブルーレイ)がでました。
【IB化成】
太い枝もあるが、細長くひょろっとした枝もけっこう発生
【油粕】
太い枝もあり、細長い枝もある。細長い枝はIBのように多くなく、少ない。枝の太さが均等でバランスがいい。
【ブルーベリー専用肥料】
IBや油粕のような目立つ特徴はない。太い枝があれば細長い枝もある。都合よく見ればIBと油粕の中間のようイメージ。
肥料の効き始める早さの違い
肥料が効き始める早さは、ブルーベリー専用肥料がいちばん早く、次いで超醗酵油粕とIB化成が同じくらいでした。
あまり重要な情報ではないかもしれませんが、一応補足として。
少なくとも、この3つの肥料を規定通りに施していれば、肥料焼けをすることはありませんでした。安全に使えます(超醗酵油粕は細かい規定量が載っていませんが)。
IB化成は成長が速く感じる
結論は、肥料で成長に大きな違いは出ませんでした。
ただ、細かく見ると、IB化成は成長が若干はやい印象があります。
ブルーレイ、パトリオット、ピンクレモネード、この3品種を総合的に見るて、IB化成が苗が若干大きく感じます。
「成長に大きな違いはない」と結論を言っておきながら、結局どっち?と思いますが、全体で見るとIB苗木の成長が速いようにも見えなくもない印象があります。
わかりにくくてすいません。
肥料の違いにより実に違いはあるの?・・・観察を継続します
今回の実験は、肥料の違いで苗の成長に違いが出るのか?をメインにしました。
では、ブルーベリーの実にはどういう影響があるのか?苗木の成長も重要ですが、肥料が実の味にどういう影響を与えるのかも興味があります。
また、実験期間が、6ヶ月に満たない短いものでした。
実験を始めるのが遅く、この短期間での実験で結論を出してしまうのは不十分に感じます。
いずれにせよ実験を続ける必要がありそうです。
成長に大きな違いは見られなかった、として実験をいったん区切りますが、
条件をそろえるため控えていた剪定を行い、実をならせつつ、この3つの肥料で成長に違いが出ないのか今後も観察を継続したいと思います。
素人が思い付きで始めた実験でなにかと不備があると思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。