趣味のメダカ飼育で必須なのがカルキ(塩素)が抜けた水。
いつもは水道水をバケツに汲み置きし、カルキが抜けるのを待ちますが、実際はどのくらいの時間でカルキが抜けるのか気になりました。
そこで春の時期に、いくつかのパターンで、簡単にですが個人的に実験をしてみました。
カルキが抜けるポイントとなるのは紫外線のようなので、その点に注意して確認したいと思います。
- 実験方法と試した状況
- 【ケース①】直射日光がよくあたる場合(4月としてはとても暖かい天気)
- 【ケース②】直射日光があたったり、あたらなかったりする場合(天気は晴れくもり)
- 【ケース③】くもり空で直射日光があたらない場合(天気はくもり時々小雨)
- 【ケース④】室内、窓から自然光は差し込むがバケツに直接当たらない場合
- 【ケース⑤】直射日光をふたで遮断した場合(天気は快晴)
- 【ケース⑥】日陰の場合
- まとめ
- 【注意点】カルキが抜けた判断についてや、含まれるカルキの量は時期や地域で異なるそう
実験方法と試した状況
実験方法は、バケツに水道水約10L(多めに入れたので11~12Lは入ったかもしれません)を入れ、一定時間ごとにカルキが抜けているのかを確認。
カルキの確認に使った道具は、マーフィード『 塩素テスター』
付属の容器に試したい水を入れ、試薬をたらすとカルキが含まれていると黄色になり、カルキが抜けると透明になるとのことです。
時期は4~5月で、春の気候。
試した状況は、以下の6つです。
- 直射日光がよくあたる場合
- 直射日光があたったり、あたらなかったりする場合
- くもり空で直射日光があたらない場合
- 室内
- 快晴の天気の中、直射日光をふたで遮断した場合
- 日陰の場合
【ケース①】直射日光がよくあたる場合(4月としてはとても暖かい天気)
時期は4月下旬。
快晴の中、直射日光がよくあたる場所にバケツを置いて、どのくらいでカルキが抜けるのかを試してみました。
状況
【バケツ置き場所】直射日光がよくあたる自宅の南側。ふたなし。
【天気】快晴 最高23℃/最低2℃ 4月としてはとても暖かくバケツを置いたところは暑いくらい。
【水温】開始時(バケツに水を入れた直後の水の温度。以下同じ意味です)13℃。その後19~23℃
【バケツ周りの温度】開始時(バケツ設置直後のバケツ周りの温度。以下同じ意味です)21℃。その後24~25.5℃
経過
【開始時】
開始時、汲んだばかりの水道水に上記の塩素テスターを3滴入れた様子です。画像のように濃い黄色。カルキが含まれているのが一目でわかります。
【1時間後】
開始から1時間経過後。1時間経過しただけでだいぶ黄色が薄くなりました。
【3時間後】
開始から3時間経過、透明になりカルキが抜けました。
結果
4月でも快晴の天気で日光がたくさん当たると、10L程度では3時間もあればカルキは抜けるようです。(色から見て2時間後でも抜けていたかもしれません。)
意外とはやく抜けますね。
【ケース②】直射日光があたったり、あたらなかったりする場合(天気は晴れくもり)
時期は4月下旬。
晴れ曇りの天候の中、バケツに直射日光があたったりあたらなかったりする状況では、カルキがどのくらいで抜けるのかを試してみました。
バケツに日光があたるとき
バケツに日光があたらないとき
状況
【バケツ置き場所】自宅の南側。天候が晴れ曇りのためバケツに日光があたったりあたらなかったり。ふたなし。
【天気】晴れ曇り 最高10℃/最低2℃ 陽が差すと暖かいが曇るとその暖かさがなくなり風が冷たく感じる天気
【水温】開始時12℃。その後15.5~16℃
【バケツ周りの温度】開始時15.5℃。その後15.5~16.5℃
経過
【1時間経過】
薄い黄色。1時間経過した時点では、少しカルキが残っているようです。
【3時間経過】
透明になり、3時間でカルキが抜けました。
結果
快晴の天気と比べ日光が少ないのでカルキが抜けるまでもっと時間がかかるかと思いましたが、晴れ曇りでもこの場合、3時間もあればカルキは抜けるようです。
【ケース①快晴】の1時間経過時と見くらべると、今回のケース②の方が黄色みがあり、紫外線が少ないぶんカルキが抜けるスピードが遅いのがわかります。
【ケース③】くもり空で直射日光があたらない場合(天気はくもり時々小雨)
時期は5月上旬。
天気はくもり時々小雨。くもり空のため陽射しがない状況では、どのくらいでカルキが抜けるのか試してみました。
参考程度にこの日の空の様子です。撮影したのは夕方なので暗めですが、一日を通して画像のように曇った空模様です。
状況
【バケツ置き場所】自宅の南側。くもり時々小雨の天候のためバケツにほとんど日光があたらない。ふたなし
【天気】曇り時々小雨 最高16℃/最低8℃ 曇り空で陽射しがなく肌寒い天気
【水温】開始時12℃。その後11.5~14℃
【バケツ周りの温度】開始時12.5℃。その後11~14℃
経過
【3時間後】
黄色。カルキは残ったままです。
【6時間後】
6時間経過しても薄い黄色。まだカルキは抜けてません。
【12時間後】
12時間経過後、透明になりカルキが抜けました。
結果
くもり空では水にあたる紫外線が弱く、その分ケース①②と比べカルキが抜けるまで時間がかかりました。
それでも予想より早くカルキが抜けました。くもり空でも5月上旬では紫外線がそれなりにあるのかもしれません。
【ケース④】室内、窓から自然光は差し込むがバケツに直接当たらない場合
時期は5月。
室内ではどのくらいでカルキが抜けるのか気になり、試してみました。
状況としては自然光が差し込む部屋ですが、バケツには直射日光が当たりません。ゴミが入るのを防ぐため発砲スチロールでふたをしました。
状況
【バケツ置き場所】自然光が差し込むが、直射日光は当たらない室内の一角にバケツを設置。ふたあり
【天気】期間中はほぼ晴れ(曇りの日もありましたが、ほとんど晴れ)気温:最高18~25℃/最低3~12℃
【水温】開始時13.5℃。その後14~22℃で推移
【バケツ周りの温度】開始時20℃。その後14~24℃で推移
経過
【6時間後】
6時間ほどでは全くカルキは抜けておらず、濃い黄色
【24時間後】
少しは薄くなりましたが、変わらずまだまだ黄色です。
【36時間後】
さらに薄くはなりましたが、まだ黄色のほうが強いです
【48時間後】
2日経ってようやく透明に近づきましたが、少し黄色が残ってます。
【60時間後】
まだ少し黄色が残っています
【72時間後】
ほんのわずかに黄色みがかってます。
【84時間後】
まだわずかに黄色。72時間後とあまりかわってないような気がします。
【96時間後】
ごくわずか~に黄ばんでいるように見えます
【108時間後】
ようやく透明に。カルキが抜けました。
結果
室内の状況では、カルキが抜けるのに10Lほどで5日間もかかりました。
屋外に比べ日光が当たらず、さらにゴミ防止のためふたをしたことで紫外線が遮られたたことが原因と考えられます。
室内はけっこう時間がかかりました。終盤の方は肉眼で見るとカルキが抜けてなくもないような気がしますが、画像に合わせました。
【ケース⑤】直射日光をふたで遮断した場合(天気は快晴)
時期は5月中旬。
晴れの天気でバケツにふたをして、直射日光を遮断した状況ではカルキがどのくらいで抜けるのか試してみました。
【ケース①】にふたをして直射日光を遮断した場合です。
※バケツに丁度あるふたを持ち合わせていないので発泡スチロールでふたをしました。
状況
【バケツ置き場所】直射日光がよくあたる自宅の南側。ふたあり。
【天気】晴れ(くもった時間もありましたが多くは晴れ)
気温:1日目 最高24℃/最低6℃ 2日目 最高23℃/最低10℃
【水温】開始時15℃。その後17~25℃で推移
【バケツ周りの温度】開始時25℃。その後14~25℃で推移
経過
【3時間後】
濃い黄色。快晴の下でもふたで日光を遮断すると3時間ではカルキは抜けません。
【6~12時間後】
その後、6~12時間後に確認してもカルキは抜けず。
【24時間後】
だいぶ黄色が薄くなりカルキが抜けつつありますが、まだカルキは残ってます。
【36時間後】
透明になり、カルキが抜けました。
結果
快晴の下、ふたをして直射日光を遮断するとカルキが抜けるまで1日半がかかりました。やはり日光を遮るとその分余計に時間がかかるようです。
でも、ふたをしたわりには意外と早くカルキが抜けてますね。
【ケース⑥】日陰の場合
時期は5月下旬。
日陰ではどのくらいでカルキが抜けるのか気になり試してみました。バケツを自宅北側の日陰になっている場所に置いたので、状況としては明るさがあっても直射日光は当たりません。ふたはしませんでした。
状況
【バケツ置き場所】直接は日光が当たらない自宅の北側。ふたなし。
【天気】期間中は晴れ、くもり、雨と様々。気温:最高20℃前後/最低10℃前後
【水温】開始時16℃。その後13~17℃で推移
【バケツ周りの温度】開始時18.5℃。その後11~20℃で推移
経過
【3~12時間後】
直射日光が当たらないため、当然、3時間や6時間ほどでカルキは抜けず、12時間経過しても濃い黄色です。
【36時間後】
36時間(1日半)が経過し、ようやくこの薄さになりましたが、まだカルキは抜けていません。
【48時間後】
わずかに黄色みがかってます。
【60時間後】
ごくわずか~に黄ばみがあり、カルキが抜けてません。
実際に見ると透明ですが、撮影して写真で確認するとどことなく黄色です。そのためまだ続けます。
【72時間後】
透明になり、カルキがぬけました。
結果
日陰の状況では、やはりカルキが抜けるまで時間かかり、この場合72時間(3日間)がかかりました。
ふたをしていなくても、やはり日陰は時間がかかるようです。
まとめ
簡単にまとめると以下のようになります。
【ケース①】直射日光があたる
3時間
【ケース②】直射日光があたったりあたらなかったり
3時間
【ケース③】くもり空
12時間(半日)
【ケース④】室内
108時間(4日半)
【ケース⑤】直射日光をフタで遮断
36時間(1日半)
【ケース⑥】日陰
72時間(3日)
上記の結果をみると、水道水に紫外線がよくあたる環境では、はやくカルキが抜けます。
くもり空・日陰・室内は、当たる紫外線が弱かったり、遮られるその分、カルキが抜けるのが遅くなっています。
カルキが抜けるはやさは、紫外線がおおいに影響するようです。
気になったのが、ケース⑤の屋外ふたで日光を遮断した場合。紫外線を遮っているので日陰や室内と同じくらいとはいかないものの、もう少し時間がかかるのかと予想しましが思いのほかはやくカルキが抜けています。
完全い予想ですが、発泡スチロールでふたをしたので目視では確認できない隙間があってそこから紫外線が入り込んだ?と考えてしまいます。
【注意点】カルキが抜けた判断についてや、含まれるカルキの量は時期や地域で異なるそう
今回の実験について、注意点があります。
カルキが抜けたのかどうかの確認は肉眼ではなく、スマホで撮影した写真を見て判断しました。
自分としては黄色か透明かその都度、真剣に判断したつもりですが、こうしてパソコン越しに他のケースと比較しながら改めて確認すると「なんか微妙じゃない?」と思う写真が正直にいうとあります。ケース④や⑤とか…。
(なるべく撮影環境を同じにしたつもりですが、それでも時間帯が異なるので明るさやピントが影響しているのかもしれません。)
また、水道水に含まれるカルキの量は地域ごとや季節でも異なるそうです。
そのため、今回の実験でカルキの抜けた時間はあくまでも目安とし「あたる紫外線の量でこんなにカルキの抜ける時間が違うのか~」程度に捉えてもらうとありがたいです。
実験の結果から、カルキ抜きを使う以外で最もカルキが抜けやすい環境は紫外線によくあてることです。自分としては、メダカの安全のために、様々なところで推奨されている一昼夜は最低汲み置きしカルキを除去したいと思います。
それでも各住宅の事情や環境でそうもいかない場合も考えられるので、心配な方は市販のカルキチェッカーを購入し、普段の方法でカルキが抜けているのか確認してみるのもひとつの手かと思います。